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あなたがLinuxを使うべき10の理由

written by 齊藤 貴義 on

(2006年のエントリアーカイブから復活。内容は少し古いです)

あなたがMacを使うべき10の理由お前らがmacを使わないべき10の理由。を受けて。

xglOSは結局のところ、人の好きずきだし、それならば選択肢は多い方がいい。神学論争になっちゃうよりは、自分にあったOSを選択すればいいんじゃない、と思います。それは万人に対しても、WEB制作やプログラミングの世界でも同じ。そんな自分ですが、Macをオススメする記事がネットに出てきたなら、自分もLinux(特にSUSE Linux)をオススメする理由を書いちゃいます。 というかネタです(右の写真は、SUSE LinuxのXglの様子)

LinuxはUnixではない

これ、オススメする大きな理由です。よくLinuxとUnixを混同される方がいるのですが、LinuxはUNIXではありません。LinuxはGNUプロジェクトに沿って発展してきていますが、このプロジェクトは、GNU is Not Unix(GNUはUnixではない)という再帰頭字語から構成されています。Linuxの目指すところは、Unix環境を実現するところにあるのではなく、UNIXライクな環境をフリーで実現させるところです。このフリーとは、無料という意味ではなく、再配布も改造も販売すらも自由という意味です。

この辺は、UNIXの後継を自称する(実際はUNIXそのものは既になく、存在するのは全てUNIX系のOSです)SolarisやMac OS Xとは異なります。LinuxはUNIX系列のOSに対するアンチテーゼから出発しており、UNIXの良い点を取り入れながらも、UNIXとは異なる自由な環境を目指しています。

UNIX系のシステムに関心を抱きながらも、UNIXにはない自由を求める方々にはLinuxがオススメです。ただ、UNIX系とLinuxはそれぞれに別の進化を遂げてきたOSであり、それぞれに固有の利点もあれば欠点もあります。チンパンジーとオラウータンのどちらが生物として優れているかとい う点ではなく、環境や特定条件に応じてそれぞれの特性を発揮すればようにと思います。

Linuxは比較的secureである

最近はLinuxやMacを狙ったウィルスも増えてきており、絶対安全とは言い難いのですが、Windowsほどの数やダメージがないため「比較的」安全です。ただ、セキュリティパッチを当て続ける必要があるのは、UNIX系も含めどのOSであれ同じです。

Linuxコミュニティには大勢の開発者が参加しており、ディストリビューションの差はありますが、脆弱性が発見されても比較的早期にセキュリティ パッチが出ます。セキュリティパッチのリリース速度というのは、OSを検討するときに考慮に入れた方がいい点かもしれません。SUSE Linuxは、YOUというアップデートシステムがあり、Windowsアップデートと同じような感覚でパッチの適用が出来ます(自動化もできます)。

Linuxは良いプログラム環境である

Linuxとは多くの場合、カーネルを共通とする各ディストリビューションの総称として用いられますが、各ディストリビューションには通常、GNU プロジェクトで開発された多くのパッケージが付属しています。その中には開発環境に関するパッケージも多数含まれています。元々Linuxが開発者の中で 育ってきたため、開発者にとって役立つパッケージが沢山あります。例えばSUSE Linuxでも開発に関して何百ものパッケージがインストールCDに含まれています。当然、ApacheもPerlもPythonもRubyもPHPも含まれています。

また、多くの開発ツールに関するプロジェクトのサイトでは、Linuxを想定したパッケージやソースコードを配布しています。必要に応じて、それらのサイトから最新版のパッケージやソースコードをダウンロードして自分のシステムに組み入れることができます。SUSEはヨーロッパでの利用者が多く、開 発の中心メンバーがヨーロッパの人々なサイトでは、SUSE用の独自パッケージを公開していることが多いですね。

Linuxは良いWeb制作環境である

本番WEBサーバーがLinuxというパターンはけっこう多いと思いますが、Linuxを普段からクライアントマシンにしておけば、ほぼ同一条件の環境をローカルにもつくることができます。画像処理にはGIMP(Photoshop やFireworksの基本機能はほぼ使える)が使えますし、HTMLエディタもNvuなどがあります。プログラム環境とデザイン環境の同居という点で、 Linuxはけっこう適しています。FTPやSFTPなどのGUIなソフトも色々ありますので、あとはそのソフトを使って本番環境にアップロードするだけ、という段階まで持ってくることができます。

ただ、UIの点でPhotoshopやFireworks、あるいはDreamweaverなどの商用ソフトに追いつき追い越せているかというと、 それは言い難い面があります。また、グループでデザインを共有して更新ということも弱いですね。ただ、ソフトにお金をかけずに少人数でサイトを更新、とい う目的ならば、Linuxはベストな働きをしてくれます。多くの場合、GIMPを使いこなせてないのはデザイナーの食わず嫌いな面が多い(そしてGIMP で代替できそうな作業を高い商用ソフトで行っている)という印象があります。そしてSUSE Linuxならば、confファイルを書き換えることなく、YaSTからウィザード形式で各種WEB環境の設定が出来ます。

Linuxにはいいsoftwareがたくさんある

何がいいかは人によって好きずきだし、慣れの部分も大きいと思いますが、Linuxでは1,000以上のフリーで開発されたソフトウェアを自分の好みに応じて導入できます。パッケージのインストールやアンインストールもGUIで直感的に行えますし(依存関係とか色々ありますが)、SUSEのYaST やKDEのコントロールセンターから各種ソフトの設定がウィザード形式で行えます。自分にとってベストな環境にとことんこだわってカスタマイズしていくこともできます。

snap6Linuxは画面がきれい

最近までデスクトップLinuxというと、「画面が汚い」「フォントが汚い」などユーザーをがっかりさせることが多かったですが、今はLinuxの デスクトップ環境は飛躍的な変化を遂げています。アンチエイリアスも有効にすることができますし、アンチエイリアスを掛けるモードも選択できます。複数のデスクトップ環境からお好みに応じて選択することができるし、各種デスクトップ環境でテーマを適用させたり、自分好みにデスクトップをカスタマイズしてい くことができます。DVI接続にも対応していますし、NVIDIAやATIなど各種グラフィックカードのドライバも出ています。

ただ、これにも光と陰があって、X Windowの見た目が向上した分、メモリの消費量があがり、美しいデスクトップ環境を実現するにはハードウェアにけっこうな投資をしなくてはなりませ ん。全体の動作にもやはりもっさり感が出てきます。ただ、Linuxはデスクトップ環境を柔軟にカスタマイズしていくことができますし、使っているハード ウェアに応じて適切な画面をつくっていくことができます。この選択肢の多さは、各種OSの中で群を抜いていると思います。

SUSE LinuxにはXglがある

ページ最上部の画像参照。

Linuxはかっこいい

「自由であること」は煩雑な選択や自己責任と表裏一体ではありますが、世界に出現しつつある新しい「秩序」に抵抗する力であることも確かです。一つのOSが市場を独占し、価格をつり上げ、ユーザーを管理して囲い込もうとしています。Linuxはそれに対して、自由を提唱しています。誰もが自由にOS を手に入れることができ、改造することができ、販売することもできます。コンピュータを閉ざされた世界からオープンな世界にしていこうと活動しています。

(これは哲学的なものやスタイルにとどまらず、途上国や中小企業がコンピュータビジネスへの参加機会を押し広げることにつながり、IBMなど大企業のさらなる発展の方向性を与えるなど、実益も生み出しています)

信頼性とコストが要求されるサーバー市場でLinuxとMicrosoftは激戦を繰り広げ、ほぼ引き分けています。サーバー市場での戦いは今後も続くでしょうが、今後の激戦が予想されるのは、おそらくデスクトップ市場でしょう。単一の秩序が勝つか、多様な自由が勝つか。デスクトップの世界でもユー ザーのスタイルが求められています。自由な価値を「かっこいい」と思う人々であれば、Linuxを選択肢に入れるのは良いことではないかと思います。

LinuxはiPodに入れられる

iPodの中にLinuxをインストールすることができます。iPodの中にLinuxをインストールすると、ゲームなど色々なアプリを動かしたり、色々な動画を再生できたりします。PS2やXboxで動作するLinuxもあります。

Linuxには自由とコミュニティがある

Linuxの最大の特徴であり、利点であるのは、自由とコミュニティです。Linuxは自由を目的としてコミュニティベースで開発されているOSで あり、自由に改変したりコミュニティから様々な恩恵を受けることができます。使い込んできたら、コミュニティへフィードバックすれば、ますますLinux やコンピュータの多様な発展に貢献していくことにもつながります。

OSは人や用途によって様々ですし、デュアルブートや仮想化を使うことによって複数のOSを使い分けることができます。OSごとによる機能やアプリ の差は小さくなってきていますし、残されているのは自由を志向するかという理念的な部分と、活用スタイルの部分になってきています。Linuxはその中で も選択肢の一つとして一考の価値に値するのではないかと思います。「べき」とまではいかないですが、オススメです。

タグ: linux


2 Responses to “あなたがLinuxを使うべき10の理由”

  1. comment from ei09

    ここのサーバーはLinuxなんですか?

  2. comment from さいとう

    >ei09さん
    Linuxですよ。

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