税務署は、内国税(関税・とん税・特別とん税を除いた国の税金)を割り当てて負担させたり徴収したりする作業を行う第一線の行政機関であり、納税者と最も密接なつながりを持つ機関です。各税務署長はそれぞれの管轄区域内で、すべての内国税の徴収を行う権限を持っています。
内国税の種類
現在、日本には以下の種類の内国税があります(国税庁「日本における税務行政」より)。
所得税
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所得税は、個人が1月から12月までの1年の間に稼得した所得に課される税金です。一定額以上の所得を得ている個人は、給与所得の年末調整等によって納税が完結している場合を除いて、確定申告期(課税年分の翌年2月16日から3月15日)に確定申告書を提出しなければなりません。 |
法人税
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法人税は、法人(人や財産の組織体に権利能力が与えられたもの。企業なども法人に含まれます)の所得に対して課せられた税金で、法人が納税義務者となりま す。法人税は、各事業年度の所得や清算所得に対し課税されるものであり、法人は、原則として事業年度終了の日の翌日から2か月以内に税務署長に申告書を提出しなければなりません。 |
相続税
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相続税は、被相続人から相続や遺贈により財産を取得した者に対して、その取得した財産の価額を基として課されます。具体的には、財産を取得した者について、 その取得した財産の価額から負担することとなった被相続人の債務や葬式費用の金額を控除した金額(課税価格)を算出し、各人の課税価格の合計額が遺産に係る基礎控除額(5,000万円+1,000万円×法定相続人の数)を超える場合に納付すべき税額が算出されます。 |
贈与税
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贈与税は、個人から贈与により財産を取得した者に対して、その取得した財産の価額を基として課されます。具体的には、1月1日から12月31日までの1年間に贈与により取得した財産の価額の合計額が基礎控除額(60万円)を超える場合に納付すべき税額が算出されます。 |
地価税
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地価税は、個人又は法人が課税時期(その年の1月1日午前零時)に保有している国内の土地等を対象として年々課税される税金です。ただし、平成10年以後の 各年の課税時期に係る地価税については、臨時的措置として、当分の間、課税されないこととなり、申告書の提出も必要ないこととなっています。 |
酒税
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酒税の納税義務者は、国産酒類については酒類の製造者であり、酒税は酒類を製造場から移出した時に課税されます。また、輸入酒類については酒類の引取者であり、酒税は酒類を保税地域から引き取る時に課税されます。酒税は従量課税制度を採用しており、酒類を10種類11品目に区分し、それぞれの酒類に応じた税 率が定められています。また、ビールや果実酒等一部の酒類を除き、アルコール度数により税率の加減算が行われています。 |
消費税
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消費税は、国内で事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡、貸付け及び役務の提供(資産の譲渡等)並びに保税地域から引き取られる外国貨物を課税の対象としており、国内取引については事業者を、輸入取引については外国貨物を保税地域から引き取る者を納税義務者としています。消費税の課税標準は、国内取引 については課税資産の譲渡等の対価の額、すなわち実際の取引価額であり、輸入取引については課税貨物の関税課税価格、関税額及び個別消費税額の合計額であ り、消費税の税率は4%です。また、地方消費税の税率は消費税額の25%(消費税率換算で1%相当)となることから、消費税と地方消費税を合わせた税率は5%となります。 |
たばこ税
たばこ特別税 |
たばこに対しては、国税としてたばこ税とたばこ特別税が課されています。税率は、原則として1,000本につき3,536円(内たばこ特別税820円)とされています。たばこ税及びたばこ特別税の納税義務者は、製造たばこの製造者及び製造たばこを保税地域から引き取る者であり、課税物件の区分としては、「紙巻たばこ」、「葉巻たばこ」、「パイプたばこ」、「かみ用・かぎ用たばこ」があります。また、たばこには、別途「地方たばこ税(道府県税868円、市町村 税2,668円)/(千本)」が課されており、合計税率は、7,072円/(千本)となります。 |
揮発油税
地方道路税 |
揮発油に対しては、揮発油税と地方道路税が課されています。税収は、揮発油税については、形式的には国の一般財源ですが、道路整備緊急措置法に基づき全額国の道路特定財源とされており、更に、同法等に基づき、1/4は地方への交付金の財源に充てるため直接道路整備特別会計に組み入れることとされています。また、地方道路税については、都道府県及び市区町村の道路特定財源として全額譲与されています。税率は揮発油1キロリットルにつき53,800円(揮発油税 48,600円+地方道路税5,200円。沖縄県内においては合計で46,800円)となっています。揮発油税及び地方道路税の納税義務者は揮発油の製造者及び揮発油を保税地域から引き取る者であり、主な課税物件は自動車用ガソリンです。 |
航空機
燃料税 |
航空機燃料税は、航空機燃料に対して課される税です。納税義務者は、原則として航空機の所有者です。税率は、1キロリットルにつき26,000円(沖縄路線 を航行する航空機に係るものについては13,000円及び特定離島路線を航行する航空機に係るものについては19,500円)です。現在、その税収は、国及び地方の空港整備及び空港対策に充てられています。 |
石油ガス税
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揮発油税等が課されるガソリンと同様、自動車の燃料に対する国税として石油ガス税があります。この税は、自動車用の石油ガス容器に充てんされた石油ガスに課され、その充てん者が納税義務者です。税率は1キログラムにつき17円50銭となっています(容量換算1につき9円80銭)。なお、税収の1/2は、国の道路特定財源とされ、1/2は都道府県及び指定市の道路特定財源として譲与されています。 |
石油税
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石油税は、原油及び輸入石油製品並びにガス状炭化水素に対して課される税です。納税義務者は、原油又はガス状炭化水素の採取者、原油若しくは石油製品又はガ ス状炭化水素を保税地域から引き取る者です。税率は、原油又は輸入石油製品は1キロリットルにつき2,040円、天然ガスは1トンにつき720円、輸入 LPG(液化石油ガス)は1トンにつき670円となっています。現在、その税収は、石油及びエネルギー需給構造高度化対策に充てられています。 |
印紙税
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印紙税は、各種の契約書、手形、株券など特定の文書に対して課される税です。文書に税額に相当する金額の収入印紙をはって納付することを原則としていますが、一時に多量の課税文書を作成する場合等一定の場合には収入印紙のはり付けの手数を省く等のため、申告納付や現金納付の方法もあります。税率は1通又は 1冊につき、最低200円、最高60万円です。なお、収入印紙は、印紙税の納付のほか、財産権の創設、移転の登記等に課される登録免許税の納付、国家試験の手数料などの納付にも使用されています。 |
自動車
重量税 |
自動車重量税は、車検を受ける自動車や届出をする軽自動車に対して課される税です。納税義務者は、自動車検査証の交付等を受ける者及び車両番号の指定を受ける者で、税率は自動車の区分や重量に応じて定められています。なお、この自動車重量税は、税収の1/4相当額が市区町村の道路特定財源として譲与されてい ます。 |
電源開発
促進税 |
電源開発促進税は、原子力発電施設、火力発電施設、水力発電施設等の設置促進等及び石油に代替するエネルギーの発電のための利用を促進するための財政上の措置に要する費用に充てるものとして、一般電気事業者の販売電気に対し、1,000キロワット時につき、445円の税率で課される税です。 |